「暗黒女子」秋吉理香子 感想 ネタバレ
- 10 7月, 2017
2017年に映画化されたことと、何かと世間を騒がせた主演の清水富美加の話題で知った作品でした。仕事現場の最寄り駅内にある本屋さんで転倒に面置きされていて、タイトルと共にインパクトのある装丁が印象的だったのを覚えています。でも一番のポイントは最後まで一気に読みたくなるその中身の凄さでした!
事故?自殺?殺人?疑惑の残る女子生徒の死
一人の女子生徒が不可解な死を遂げたあと、生徒が会長を務めていた文学サークルの恒例行事「闇鍋」が開催されるところから始まります。副会長の澄川小百合(映画で清水さんが演じた役)が進行し、その語りがそのまま文章となって話が進みます。各メンバーは創作小説を持ち寄り、死んだ女子生徒との繋がりと、その死の責任を持っていると疑う他メンバーを告発するような内容を話していくのですが、全員がお互いを犯人呼ばわりしていくという、これまた不可解な進展を見せます。
物語に出てくる女子ってやっぱり暗黒すぎる!!
現実的には様々な人間関係と瞬間瞬間での駆け引きや気遣い、探り合いや嫉妬や妬みなど、話を聞けば聞くほど男に生まれてよかったー!!って思うことばかりですが笑、小説となるとこれまた相手を徹底的に悪役に仕立てあげるえげつない暗黒さがスパークしてます(^^;A 日本人らしく?思ったことを口にしない分、彼女たちの創作小説は自分以外の誰かを貶めようとなんとも都合よく出来上がっているのです。しかし真相は一体???彼女は本当に殺されたのだろうか???
読者をも欺く文章トリックで、最後の最後まで急展開!そして結末は?
文学サークルのメンバーが副会長以外全員読み終わったところで、死亡した女子生徒からの不気味な、そして驚愕の小説が読み上げられるのですが、ここからがイッキに読まざるを得ないほど展開がスピードアップしていきます。この時ばかりは通勤電車にもっと遅く走ってくれー!と心の中で叫んでしまうほどでした。いやー終わり方もほんと暗黒。あとがきに書いてあったと記憶してますが、これぞイヤミスっていうんですね。自分初めての経験でした。あー後味悪いけど、これが一番こわいわー。
まぁたまには勧善懲悪ものなど、みんなハッピーでお仕舞いっていう予定調和に見お任せることなく、こんな終わり方も是非いかが♪