「アルジャーノンに花束を」 ダニエル・キイス 感想

  • 27 5月, 2013

<『アルジャーノンに花束をダニエル・キイス

なんと切ない物語なのでしょうか。久々に”切ない“という言葉を強く実感してしまいました。


知る人ぞ知る名作中の名作「アルジャーノンに花束を」。1959年に発表されたこの作品は、21世紀になった現在でも少しも色あせることなく、読んだ人の心に深く刻まれる印象深い小説に違いありません!間違いありません!(断言)

私はいつも周りの人に良い作品を紹介してもらうことが多く、今回ももちろん紹介してもらいました。古い作品だけあって、勧めてくださるのは年上の先輩方が多く、こういうケースはハズレが無いので安心ですw

動物実験用マウスの”アルジャーノン”と幼児並みの知能しかない30代の”チャーリィ”は、知能が飛躍的に高まる手術を受けてその通りになったところまでは良かったのです。。。

賢くなりすぎてしまったチャーリィに対して、優越感に浸っていた周りの人間はやっぱり今までのようにはうまく行かず、どんどん孤立していくわけです。きっと人は無意識のうちに人との間に序列のようなものを作り上げ、それが維持されなくなると拒絶することもいとわなくなるのでしょうか。とても残念な限りですなぁ。

賢く聡明になればなるほど、周りの世界をしっかりと理解できるほどに、チャーリィは強く不幸せ感情を抱くようになります。よく「知ってしまうと幻滅する」ということが、生活の中でありますが、彼の場合の落差といったら、とても想像できるものではないですよね。

知らなければ良かった、見なければよかったと思うことが多すぎても、正面から向き合っていくチャーリィの姿勢はとても素晴らしいと思いました。

アルジャーノンの異変と死から、手に入れた知能と新しい人生が、実は永続的なものではなかったと分かったとき、チャーリィは遣り残したことがないよう、数々のけじめをつけることを決意します。その一つ一つがたまらなく切ないと思ったのは私だけでしょうか。

小さな男の子供を持つ親として、同年代の同じ男として、この作品を今読むことができたのを、読書の神様と作者に感謝します。本当にありがとうございました。m(_ _)m(あぁ、あと勧めてくれた先輩もw)

 


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