「ナイチンゲールの沈黙」 海堂尊 感想
- 3 6月, 2013
<『ナイチンゲールの沈黙』 海堂尊>
「チーム・バチスタの栄光」の続編です。このシリーズでどのように続編が作られていくのか大変興味のある作品でした。
第一作目の「チーム・バチスタの栄光」でお馴染みの田口公平(東城医大病院 不定愁訴外来担当医)、白鳥圭輔(厚生労働省大臣官房秘書課付技官、医療過誤死関連中立的第三者機関設置推進準備室室長)コンビが登場し、今後の重要なキャラクターたちが多く登場します。
今回も患者の肉親が殺害される以外に、若干倒叙的な流れがあり、また若干非現実なことが描かれたりするなど、新しいチャレンジというべき展開がありますので、医療ミステリーの本道とはちょっと装いが異なるようです。
前回のバチスタ・スキャンダルの後、今回のような殺人事件が発生したのに、結局東城医大病院は生き残っていくわけです。なくなってしまうにはちょっと困る点もあるかと思いますが、そこはフィクションですのでご愛嬌でしょうか。まぁ無くなっても面白くないので嫌です。
二作目ともなると、田口、白鳥の師弟関係wもどんどん面白くなっていきますし、更なる続編を予感させる速水との係わり合いがあり、、城崎、加納達也なども強い個性を出して描かれているので、読んでいる時点で全ての続編を読む決意が揺ぎ無いものになってしまいました。まいったね。
テレビドラマ化もされたそうですが、私は見ていません。原作どおりですとなかなか表現しづらいところもあるでしょうね。特に浜田小夜の歌などは、下手すると陳腐な映像になってしまうこともあるでしょう。あとオリジナルストーリーらしいので、私は小説だけで楽しむことにしました。(興味がある方は是非どうぞ)