「アリアドネの弾丸」 海堂尊 感想

  • 3 7月, 2013

<『アリアドネの弾丸海堂尊

これまた”チーム・バチスタ”シリーズの続編です。、AI(オートプシー・イメージング)の推進をめぐっての様々な妨害や抵抗が最悪の形で発生してしまったのが今回の事件。久々に医療ミステリー小説の真髄を見せていただきました。


ジェネラル・ルージュの凱旋イノセントゲリラの祝祭など、ややエンタメ気味になっていたのが、一気に医療サスペンス・ミステリーに引き戻されます。病院内での死亡事故の発生と、それに対して高階病院長が殺人容疑で逮捕されるなど、おいおい今度こそやばいんじゃないですか?田口先生!という事態が発生します。というかよく大学が潰れないよな。

今回の殺人トリックや高階病院長の無実の証明などは、往年のミステリーファンも唸らす内容で、作中のように何人かの英才が集まってようやく解決できる大変に高度なものでした。”磁気”は絡んでくると思いましたが、自分ごときでは及びも付きませんでした。読まれた方はいかがでしたか?仕掛けた側もある意味で天才でしょw

司法や警察が本気で悪どいことをしかけてきたら、一般の人間にはほとんど為す術がありません。現実では関西方面で発生した証拠捏造や紛失隠しなど、信じられないくらい稚拙であきれることをやらかしてくれましたよね。国も政府も司法も警察も、結局は人間の集まりですので、全てが清廉潔白とはいかないのでしょう。しっかりとチェックされる社会システムが市民の意思があって欲しいと思いました。作中では警察や司法や抵抗勢力として描かれがちですが、お互いに協力し合って社会の発展に尽くしてくれることを願っています。

作品もここまでシリーズ化すると、過去の登場人物がちょいちょい出てきてくれるので、ファンにとっては嬉しい限りです。また桧山シオンなど、今後の活躍を期待していたキャラがコラボしていくと、どんどん展開に厚みが増してきて申し分ありません。個人的な思いでは氷姫こと姫宮香織を本編の方にもっと登場してほしいと思っています。螺鈿迷宮や極北クレイマーには沢山登場して、思う存分その特性を生かし?活躍してくれるので、ぜひ本編の中で田口先生と絡んで欲しいのですが。。。そう思いませんか?

一連の物語は中盤に差し掛かっている感じでした。次も楽しみです!

 


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