「天使の報酬」 真保裕一 感想

  • 16 7月, 2013

<『天使の報酬真保裕一

外交官・黒田康作』シリーズの第二弾です。今回もサンフランシスコでトラブルに巻き込まれている同胞(=日本人)を助けるべく活躍します。織田裕二主演でテレビドラマ化された作品でもあります(脚本はだいぶ変更されています)。映画「アマルフィ」を観ていたので、続編としての本作を読んでみました。


始まりの舞台はアメリカ合衆国のサンフランシスコ。大学に通う若い日本人女性に逮捕状が出され、父親が黒田を伴って娘の家宅捜索現場に登場します。この女性にテロ容疑がかけられているということ、その父親の様子がおかしいことに、黒田は強い違和感を覚えます。この段階からキナ臭い匂いが少しずつ漂ってくるのが分かります。出だしはとても謎だらけでどんどん物語に引き込まれていきました。

読み進めていくと、怪しい人物が次々と登場し、大変複雑な展開に陥っていきます。まるで物語の中に居るくらい、読んでいる自分の方が状況把握するのに大変でした。。。文面は少々説明的なところがあり、やや読みづらいところがありましたが、日本とアメリカ、警察(捜査一課や外事)、外務省といった組織間の対立や駆け引きなどがうまく表現されているので、私はこの辺は結構気に入りました。

物語の終盤になってくると、始まった頃より読み味が薄い気がするのが残念です。ラストについても、もう少し入念な伏線があっても良かったんじゃないかと思いました。そこは残念。それでもハードボイルドな作風や、外交官という他には無いキャラクター設定は大変気に入りました。小役人シリーズ第三弾「アンダルシア」も確実に読むと思います。

人によっては評価が分かれる作品ですが、私はシンプルに真保裕一の小説が好きになりました。万人受けする感じは無いかもしれませんが、たまには硬派な小説もいいのではないでしょうか?

ちなみにハードカバーで読んだので、少々指疲れました。。。バス通勤にとっては辛いので、次は文庫で行きます。。。


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