「ストロベリーナイト」 誉田哲也 感想 ネタバレ

  • 2 8月, 2013

<『ストロベリーナイト誉田哲也

「姫川玲子シリーズ」として展開されている警察小説の第一弾で、TVドラマや映画で実写化もされた人気作品です。私は原作も実写版にも触れては居ませんでしたが、竹内結子さんと、西島秀俊さんが写った映画のポスターがカッコよかったのを覚えていたので、どんなものだろうと手に取ってみました。


物語の主人公は警視庁捜査一課殺人犯捜査十係(姫川班)主任  姫川玲子警部補です。ノンキャリアでありながら27歳で警部補になるという優秀な警察官で、チームのメンバーとも良い関係を築き、周りの反発も多いという、大変目立つ存在です。警察官を志すきっかけとなった過去の事件で、人間としても女としても心と体に消し去ることのできない傷を受けていて、常にそのトラウマに怯え、闘いながら生きている強い女性でもあります。

全体を読んでみて正直に面白いと思います。チームメンバーとの掛け合いや組織の中での活躍、ライバルや上層部とのやり取りなど、警察小説が好きな方でしたら問題なく受け入れられると思います。姫川玲子が犯罪者の思考に同調し、精度の高いプロファイリングによって犯罪を暴いていくのはとても痛快で、気持ちが良いものです。彼女を巡る争いで部下の菊池井岡の戦い?があったり、菊池の煮え切らない態度にヤキモキする玲子(上司)の心の声も、作品を彩る大切なパートです。

物語は複数の点と点が徐々に結びついていき、最終的に真犯人と実行犯に辿り着くのですが、この実行犯の正体についてはすっかり騙されてしまいました。黒幕はうすうす感づいていたのですが、最初から○○○だと信じ込んでいたので、分かったときは「そういうことか~!」とびっくりする反面、「そんなんありか!?」とも思いました。前半が大変面白かった分、最後の方がやや終わり急ぎな印象がありましたが、今後続いていくシリーズのスタートを飾るこの「ストロベリーナイト」はまさに始まった!という感じですね。


1,2ページくらいの量ですが、とても陰惨で残虐なシーンがあり、とても生々しい描写があります。この書き方の差が大きいことも誉田哲也作品の特徴なのでしょうか。人によっては決して受け入れられない可能性があるので、直ぐに読み飛ばすことをオススメします。(「オフシーズン(ジャック・ケッチャム)」風な箇所があるのです。気をつけてください。)

作品を読み終わってみて、改めて実写版のキャストと照らし合わせてみると、そのキャスティングがとても良く合っているなぁと思います。特に姫川役の竹内結子さんはハマリ役ですし、井岡役の生瀬勝久さんに至ってはちょっと年齢がいってますが、その人しか思いつかないくらいです。機会があったら観てみたいと思います。

シリーズものはいつも第一弾を読んでから、その後を読むか決めるのですが、今回も私の思い出のライブラリに全て収まっていくことでしょう。


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