「戯史三國志 我が糸は誰を操る」 吉川永青 感想

  • 15 8月, 2013


三国志の設定を元に新しい解釈を試みた作品ですね。マンガで言えば「龍狼伝」がありますけど、あそこまで大胆な変更はありません。歴史の”if“や”新解釈”は誰もが想像し、誰もが気になるアプローチの一つです!



作品の主人公はなんと「陳宮公台(ちんきゅうこうだい)」ですw。三国志を知る人から見ればまさかの大抜擢ですよねぇ。彼は後漢末に活躍した軍師で、曹操から呂布と主君を替えていき、その才能に見合った大業を為すことができず散っていった人だそうです。”もし”曹操のところにそのままいたら。。。長坂や赤壁は?官渡や漢中は?想像の翼が羽ばたきっぱなしです。

本作ではやはり史実どおりで、不遇な状況で何とか挽回しようと試みては大きな流れに乗れないという、陳宮の悔しさがうまく表現されています。そこはやっぱり人物の心情をうまく表現して、強い思いや信念とそこから生まれる行動をしっかりと書ききった効果じゃないでしょうか。伝わってくるんですこれが。

最初董卓打倒のため連合軍を動かし、呂布を動かしていくところまでは、いつも読みなれた部分だけに新鮮でした。色々と読んでるとこの時期の出来事ってスルーしがちなんですが、またまた興味が沸いてきましたよ。ですが一方で後半徐州が舞台になってからはちょっと物足りませんでした。せっかくなのでもっと華々しく散っていかせてやれば。。。とも思いました(陳宮らしくはないかもしれませんね)

普段日の目をみることのない非有名武将から見た三国志。私たちの好奇心を刺激するとても興味深い作品でした。この戯史三國志は続編があるようなので、機会があったらまた読んでみたいです。


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